これで万全！転職初心者の看護師に送る、成功に導く鉄壁の前準備

転職の理由を明確にしよう

転職を考えるということは、いまの職場に何かしら不満があるということ。そして不満に思う原因を明確にしておかないと、転職後も同じ失敗を繰り返しかねないため注意が必要です。
わたしの看護師仲間のケースを例に出してみます。友人は人間関係の劣悪さや残業の多さに疲れ、精神的・体力的な負担を軽くしたいと転職を決意。しかし彼女は、転職活動をする中でどんどん退職した理由という部分が頭の中でどんどん薄くなり、建て替えたばかりのキレイな病院で給与がアップする職場に入職しました。
結果、残業や時間外労働、オンコールなどがあるため給与が高く設定されているという状況に。人間関係は良かったようですが、体力的な負担について転職で解決することができなかったようです。

人の体験談を聞いていると、わたしはそんな失敗はしないと思うかもしれないですが、看護師は売り手市場の業界です。求人が豊富にあるため選びたい放題。いろいろ見ていくうちに目移りした結果、「職場がキレイで、給与が高くなって…」という求人に決めてしまう彼女の気持ち、わからなくないなと思います。
それに彼女にとっては初めての転職活動です。「とりあえず求人を探して良さそうなのに応募した」というざっくりとした方法で転職活動を行っていたのです。
初めての転職であればなおさら慎重に行動したいもの。そこでおすすめなのが、何が不満でその職場を辞めるのかを紙に書き出すことです。
頭の中だけに留めているのではなく、紙に書いて可視化することが大事。そうすることが、転職で前職での悩みを解消するための近道になるでしょう。

これだけは譲れない条件に優先順位をつけよう

退職・転職する理由を紙に書き出したら、次は譲れない条件をまとめてみましょう。
例えば、人間関係が良好なところがいい、夜勤なしで働けるところがいい、自宅から15分以内で通勤できるところがいい、院内託児所があるところがいい、残業が月10時間以内のところがいい、年間休日120日以上のところがいい、自分のスキルを活かせる職場がいい、スキルアップできる環境がいい、高給与のところがいい…など。何に期待し転職をするのか、転職の目的を書き出します。
いまの職場の良いところを思い返すと、書き出しやすいかもしれません。

書き出せたら、次は優先順位をつけます。譲れない条件の中でも本当に譲れない条件を、さらに3つ程度ピックアップします。優先順位をつける理由は、選択肢を狭めないため。条件の数にもよりますが、「あれもこれも全部満たしていないとダメ！」という考えではなかなか望みどおりの求人に出会えず、転職活動の期間がどんどん長くなってしまう可能性があります。
優良求人と出会える確率もどんどん下げてしまっているかも…。自分が希望する条件にしっかり優先順位をつけておくことが、転職成功への第一歩です。

自己分析をしよう

自己分析とは、自分がどういう人間なのかを見つめ直すための作業です。
就活のときにやった経験があるという看護師も少なくないでしょう。転職活動前にも、自己分析を行うことは大事なことです。
自分を理解し看護観を見つめ直すことができれば、自分に合った病院を見つけられることにつながります。履歴書での志望動機や面接での自己PRもスラスラ答えられるでしょう。

それでは、自己分析の方法をご紹介します。紙を用意し用紙の中央に縦線を引き、左側に「好きなこと」右側に「嫌いなこと」を書き出してみてください。次に別の用紙に、好きなことの中・嫌いなことの中で似たものをグループごとにまとめ、なぜ好きなのか・嫌いなのか理由を書きます。
どういう体験をきっかけにそう思うようになったのか、出来事や原因がわかればそれも併せて書いてみましょう。この作業で、どんなことに自分が関心があるのかが見えてきます。

ここで作業は終わりです。大事にしてほしいのは、「嫌いなこと」に引っ張られすぎないこと。人は嫌いなほうに強く意識が向きがちです。嫌いなことにばかり囚われていては、転職が失敗してしまうこともあります。
好きなことにもしっかり目を向け、嫌いな原因を知り、好きなことでカバーできるかどうか見極めることが大事です。

キャリアの棚卸しをしよう

志望の転職先で求められているスキルをうまくアピールすることが、転職成功へとつながります。
まずは、自分にどんな強みや武器があるのか、今まで培ってきたことについて振り返ってみましょう。
下記の項目を参考に、自分に当てはめてどんどん書き出してみてください。

• 看護師を目指すために通った学校で学んだこと
• 看護師を目指したきっかけや看護師になったときの気持ち
• これまでの勤務先と配属先（規模や患者数、スタッフ数など）
• 担当していた仕事内容と得たスキル
• 職場での役割と実績、周囲からの評価
• 今まで取得した資格
• 看護師としてうれしかった出来事
• 看護師としてつらかった出来事
• 挑戦したいけどまだできていない仕事

キャリアの棚卸しを通じて自分の武器が把握できたら、履歴書や面接でうまく盛り込み上手にアピールしましょう。
採用担当者の心を掴めるように自分を売り込むことができれば、転職に有利に働きます。